Comin' out of nowhere
Drivin' like rain
Stormbringer dance
On the thunder again
Stormbringer
「バラしたオモチャくらい自分で片付けたらどう?ダンテ」
母親の様に腰に手を当て、上からの目線で叱ってみた。
案の定、彼は一瞬参った様な眼をする。
スパーダの息子にして半人半魔のデビルハンターが、本当に私の息子に成った様な錯覚を抱く。
このむず痒くも妙な愉悦を孕んだ感覚は、私が人間に近付いてきた証拠かしら?
「その仕草で云うなトリッシュ」
「フフ、貴方を困らせる為にこの姿で生み出されたのよ、もう忘れた?」
「長いブロンドは見事だが、俺の母親はそんな露出度高く無かったぜ」
「これ、新作のビスチェなのよ、ボーンの位置が独特でね」
「へいへい」
締め切った事務所の扉、表にはcloseの看板が提げてある。
フロアの中央には、たった今私の描いた魔法陣。それを見下ろしてようやく気付いたのか、ダンテが口を開く。
「トリッシュ、口紅で描きやがったなお前」
「準備も無しで急かされたのだから、文句はナシよ?」
「血も口紅も絶対落ちにくいだろ、ハァ…やれやれだな…パティにどやされる前に床掃除からだな」
「ねえ、プレゼントの箱に忘れ物は無いの?悪魔にしては随分と小柄なのね」
「確認済みだ、ちょっとくらい足りなくても隙間くらいは勝手に再生すると思うぜ」
「相変わらず憶測で物を云う」
「見てきた限りでは、の推測だ」
「ふぅん、“コレ”と付き合い、長かったの?」
爆ぜたマリオネットみたいに、バラバラの肢体を見る。
あともう一息の魔力を注げば、息を吹き返しそうね。
無言のままのダンテは、まるでいけない事をして叱られた子供の様に口を結んでいる。
「まだ借りたい本があったのに」
「いっそ司書にでもなったらどうだ?」
「あらダンテ、私は仕事に縛られて興味の無い本にまで気を配るつもりは無いの、解るかしら?」
私を捜しているダンテなんて珍しかったから、実は本なんかはどうでも良くなっていた。
背中に得物を背負ったまま、ずかずか本棚の隙間を縫って大股で歩くシルエットを、最初は疑った。
悪魔の蘇生の術を知っているか、と訊かれ、更に耳を疑ったけど。
「それにしてもスプラッタなサンタね、それサンタじゃなくてサタンじゃないの?」
「シャレにもならねえ」
「良い子にしてなかったバチが当たったのよきっと」
「俺の母親はやんちゃしまくった年にもプレゼントくれたぜ」
「あら?サンタクロースでしょ」
「俺は兄貴と違って小さい頃から疑ってたぜ?サンタの正体が親だろうってな」
「ヒネてるのね」
見下ろしていた魔法陣、ルージュのラインに沿って鼓動の様に魔力が流れていく。
水田の様なそれを見て、旅先の農場風景に想いを馳せる。
「植えられる前の水田は、鏡の様に空を映し出すのよ。それが地平線ともなれば、空と地の境があやふやなくらい。魔界より綺麗だし、瑞々しい広大さを感じる、悪く無いわ」
私が突如語り出しても、別に聴く耳持たない男では無い。
ダンテは魔法陣に流れる水先を眼で追っていた。
「ある国では、雷の事を“イナビカリ”と云うそうよ。稲穂が落雷の感光で実るものと思われていた事に起因するの」
「実りの悪い地方に出張して、ピカピカやってきたらどうだ?悪魔から神に名義変更出来るぜ?」
「そんな伝承、今となっては科学的に解明されてるわ。私の魔法を通すだけ無意味ね、大気中の窒素の固着が要因なのだから」
「スパーダの伝承も科学的に解明してくれよ」
「貴方が生き証人じゃない」
「どうだかな」
ゆっくりと巡っていた魔脈が繋がり、ぼんやりと発光する。
それに伴い、人の形に並べられた肉片も幽かに息衝く。
肌に刻まれた黒い模様の縁が、キラキラと水面の反射の様に輝いた。
「あら、意外と綺麗なのね」
「元に戻ったら、もっとイイぜ」
「随分褒めるわね、私の美貌は褒めない癖に」
「母親にキレイとか云うか?思ってたって恥ずかしくて云えないぜ、シラフじゃあな」
「もっと貞淑な服装にすべきだったかしら?でも残念、エヴァではなくて“トリッシュ”は、このスタイルがお好みなの」
復活が近い。ダンテもそれを感じ取ったのか、しゃがみこんで床を舐める様に睨んでいる。
徐に親指を口元に持っていくと、歯で食い破っていた。
「おしゃぶりでもするのかと思った」
「俺を幾つだと思ってるんだお前」
「母乳派だったの?それとも哺乳瓶のミルク派?」
「おいトリッシュ集中させろ」
血を垂らすダンテ、芳醇な薫りは悪魔ならば誰しもが疼くであろう一級品のそれ。
私の描いた陣は間違いない筈、だってごく単純なものだから。
あとはその悪魔の生命力に委ねるだけ。
ビクン
呼吸する魔力。床の手脚が、胴を求めて隙間を埋める様にじゅくじゅくと細胞を増殖させる。
「後は何とかなりそうね」
ブロンドを肩から振り払うと、机に置いたままだった革のトートを掴む私。
「何処行くんだ」
「借りた本、早く読んでしまいたいのよ」
「上で読めば良いだろ」
「埃っぽい事務所より、ボサノヴァの流れるカフェでお茶と一緒に読むの」
「そこのジューク、モリソンが直してったぜ?もうサビの前でストップしない」
「そういう問題じゃなくて、ロックもヘビメタも読書には向かないわ」
一度だけ振り返る。ダンテのコートの背中に隠れて、バラバラの悪魔は見えない。
抱き起こそうとする後姿だけ確認して、扉を開けた。
重厚な書棚の並ぶ界隈を抜け、朗らかな界隈を通過する。
埃っぽい事務所は遠慮したけれど、私が読むものは存外埃っぽいかもしれない。
ファンタジックに脚色された児童書ならともかく、手にするのは淡々と綴られた地元史だったりする。
人間の生態が面白い。下手にストーリー仕立てにされているよりは、お堅い文献の方が正確だから。
(あら)
憶えのある姿に一瞬立ち止まる。
相手も、突然止まったヒールの音で、気を此方に向けた。
「あ、トリッシュ…!」
本を数冊抱え込んだブロンドの少女が、小走りに私に寄る。
事務所に出入りする物好きな子供。
「パティは勤勉ね、何処かのピザ男とは大違い」
「私、ああいうオトナにはなりたくないの」
「ふふ、将来有望じゃない」
その細い腕が携える本を見下ろすと、少し予想外なジャンルが有った。
「ダンテって、ピザとストロベリーサンデー以外を所望したりする訳?」
レシピブックという類。ベジタリアン向けなサラダや、風変わりなメニューの写真が見える。
写真の中の米料理は、異国の精進料理という物に近い気がする。
「あ、コレ?えーと……」
少し眼を泳がせるパティ。賭け事ではポーカーフェイスが出来る子なのに、普段は出来ないのだ。
別に追求の気は無いから、小さく微笑んで頭を撫でてやると。
「病み上がりにピザもストロベリーサンデーも、あんまし好く無いだろうから、って…ダンテに借りて来いって云われたの」
「ダンテがダウンしてるの?」
「ううん、知らない人」
貴女は知らなくても、私は察している。
人間のフリが染み付いたのか、野次馬の心が働く。
「お米は買ったの?」
「一度事務所に戻って本を置いてから、買出しに行こうと思ってて」
「それは二度手間ね、いいわよ、タダで雇われてあげても」
「ホントに?トリッシュ流石はオトナの女性だわ〜!貴女みたいになりたいなぁ」
私が悪魔って知ってるでしょう?調子の良い子供ね。
しかし、この柔軟さは子供の思考だからこそと思う。
時に残酷な事を平気で行う子供は、それを意図的に行う成熟した人間よりも、やはり純粋なのだ。
「たっだいまー」
開かれた事務所の扉。パティより上の視点から、内部を真っ先に覗き見るが、床は綺麗だった。
「おう、悪いなパティ――…」
私を見て、机に上げた脚をどかりと床に降ろすダンテ。
気付いたパティが本を抱えたまま駆け寄り、机上にバン、とそれ等を置いた。
「何よそのカオ、トリッシュは手伝ってくれたのよ」
「またツケになっちまうだろ」
「タダって云ったもん」
「お前に請求が行かないだけだ」
米袋を抱えてにやにやとする私に、うんざりとした表情をしている。
でも、別に金銭で要求するつもりは無いわ。
もっと、私は好奇心を擽られる事が好きなの。
「立ち寄ったついでに、患者の経過でも診てあげる?ダンテ」
パティの置いた本を、ゴシップ雑誌でも眺めるかの様にパラパラと捲っていた指が止まる。
その姿勢のまま、ダンテは横目に私を見た。
「……お前は医者じゃないだろ?」
「あら、貴方は人間の医者に掛かった事があるの?」
「それなら俺が診たって同じ事だ」
「解らない?手伝ったワケ」
くい、と肩に抱いた米袋を揺らして仄めかすと、溜息するダンテ。
「おいパティ、このページのコレ、作っといてくれよ」
「はあ!?人遣い荒いわねーもうっ!……どれどれ…リゾットみたいねこれ…」
憤慨しつつも腕まくりするパティ、恐らくダンテに頼られるのが好きなのだ。
(ロクな男に引っ掛からないわね)
将来有望どころか不安だ。
案内されるままに二階の寝室に入る。
殆どの仮眠を下階のソファで横になって済ませてしまうダンテのせいか、シーツが拡げられている様は新鮮だった。
「起きてるの、その子」
ベッドに横たわる人の形をした悪魔は、天井を見つめたまま微動だしない。
先日見た時との違いは、その相貌に黒い模様が無い事。
「眼ぇ開けたまま寝るのかお前は?」
「あら、悪魔ならおかしな話じゃないでしょ?」
「おい」
ダンテが少し眉を寄せる、ベッドサイドの椅子に腰掛けて小さく呟いた。
「あんまりコイツに悪魔とか、云うなよ」
「悪魔に悪魔と云って何が悪いのかしらね」
「俺と同じなんだ」
懺悔の様に、その声が重い。
「…半魔?」
否定しないので、恐らく当たり。
どうりで、ダンテの情の入れ方が妙に深い訳だ。
「そんな状態で飲食が出来るの?そもそも人間と同じ飲食が必要なのかしら?」
「お前は娯楽で食ってるが、コイツは正気を保つ為に食ってる」
「…あぁ、人間の真似事?私も好きよ」
「お前とはニュアンスが違うんだ」
ダンテの向かいから、挟んだベッドを見下ろす。
白い肌の、東洋の人種かしら。黒髪を短く整えた、癖毛の目立つ少年。
悪魔だから実年齢は謎だけれど、外見は十代…いや、この人種は幼く見えるだけかもしれない。
ぼやけた眼は、真っ黒というよりは光の加減でチャコールグレイだった。
胸元まで掛けられたキルトに、呼吸の上下すら見られない。
「食事をはき違えてるんじゃない?ダンテ」
この子からは生気を感じない。
死んだ様な悪魔には、何が一番潤いを与えるか知っているでしょう?
「あれだけバラけてたって事は、かなり出血してるでしょう、何が足りないか考えてみる事ね」
「でも、コイツは呑みたがらない」
「だから人間の食べ物ならいけると思った?違うわよ。飲食物が血肉になる身体じゃない。そんな人間みたいな――…」
ガタン、と椅子の脚が床を擦る音。
「コイツはまだ人間だ…トリッシュ!」
どうして貴方が悲愴な眼になるの。
「意識が戻ってから、ずっと擬態してるんだ…か細い余力で、それだけはこなしてるんだぜ?どこかに人間らしさを残している事が、こいつのプライドのすべてだ」
「…それなら、尚更血は与えてやるべきね。人間の姿で居る事が精一杯なんでしょう?事情を説明させるにせよ、起き上がるだけの魔力は注がなければね」
呆れた。
尊重してやっているつもりなのかしら。
喋れないのを良い事に、そういう事にしてるだけじゃないの?ダンテ。
本当にその子が悪魔を拒んでいたとしても、そのまま人形の看病をずっとしてるつもり?
「私が何故この姿で貴方に差し向けられたのか、一度考えてみたら?」
情が強いからこその強さを湛えているデビルハンターダンテ。
それを羨ましくも思うけれど、まるで両刃の剣の様に扱いが難しいと思う。
いつまで引き摺っているのかしら?
「どんな因縁かは知らないけど、その子はバージルじゃないわよ」
図星の時、ダンテは下唇を小さく噛む。
きっと母親のエヴァも、彼のそのクセには気付いていたのだろう。
そう思えば少し可笑しくて、クスリと笑ってしまった。
「んな事ぁ…解ってる」
「本人の意思を無視して、人間である事を尊重するのは感心しないわね」
「アイデンティティが変わってなけりゃ、コイツは魔の路に堕ちない筈だぜ」
「話に聞くバージルが、堕落したと云いたいの?」
「魔界は無法地帯だって、お前も知ってるだろトリッシュ?目的差し置いてリビドーで動く様になったら、待つのは破滅さ」
悪魔の路を選んだ兄を、どうしても誇りには思えないらしい。
確かに、自ら魔界に赴いたダンテの兄は、勿体無いとは思う。
魔界は愉しむ場所じゃないのにね。
「バージルだって、プライドでその路を選んだんでしょう。貴方が気にする事じゃないわね、ダンテ」
部屋を出る際に、肩に掛かったブロンドを手の甲で払った。
私の露出した肩越しに、ベッドを見た。
再び着席したダンテが、黒いシャツの腕を捲る姿。
「R指定かしら?」
「PG-13程度だな」
「エスカレートしないようにね」
「ハ、まさか。最近女どころか、ピザしか喰ってないぜ?」
それだけ確認して、扉を開く。
カツカツと階段を踏み降りて行けば、キッチンルームから物音がする。
あら…そういえば、パティは何歳だったかしら?
「あ、ねえトリッシュ、もう持って行っていいかな?」
パティの着用している可愛らしいタータンチェックのエプロン、恐らく持参しているのだろう。
小さなミルクパンに匙で掻き回し、くつくつと煮える音がアトランダムに聞こえて来る。
「それなんだけどパティ、やっぱりまだ食べれないみたいよ?」
「ええっ、何よも〜!せっかく人が作ってやれば…!」
散々ダンテの虐殺を見てきたこの子だけど、今の上の階は見せられない気がするわね。
百戦錬磨のデビルハンターが、感情を揺さぶられてるシーンこそショックでしょうからね。
私だって、ヒトっぽく気を利かせるわよ。
TPOばかり気にしてしまう人間って、毎瞬間がポーカーゲームじゃないの?
そういえば、TPOも何かの文献で目にした言葉だった。
こういう瞬間に、人間臭くなってきた自身を感じて快感だ。
「いいわパティ、私が今回は食べておいてあげる」
「ホント!?やっぱトリッシュってイイ女!」
着席して待てば、これまた可愛らしい花柄ミトンで運ばれてくる器。
熱かろうが口内を火傷はしないけど。一般的な動作として、スプーンに掬ってふうふうと吐息で冷ます。
噛み締めれば、米独特の食感がした。
悪魔に喰らい付いた時の、内部の蛆蟲達が潰れる時のそれに近いが、それより断然心地良い。
「随分味が薄いのね、何か足りてないんじゃないの?」
「う…やっぱり?これでレシピ通りなんだけどなあ…足りなかったら塩でも入れたらどうかなあ」
粥とか、云った気がする。東洋の…あの悪魔の少年なら知っているかもしれない。
だからわざわざこのメニュー?ダンテも随分執心というか、一体何が二人の間にあったのやら。
「あ…遠くで鳴ってる」
「…そうね、雨も近い感じ。嵐かしら…静かで、空気が随分ウェットだわ」
「空気が湿ってるのは、さっきまで鍋でぐつぐつ煮てたからじゃないの?」
窓の外から遠雷の気配。一気に薄暗くなったキッチンの窓を閉めるパティ。
そういえば、イナビカリでたわわに実ったのかしらね、この米も。
「人間って、都合良く解釈するのね」
「えっ、何か云った?」
酷く薄い味だけど。雷光を想いつつ嚥下すれば、それが美味な気がしてきた。
窓の外、無風だが遠くで呻る雷、嵐の前の静けさってやつか。
ツノの無い項を支えて、上体を抱え起こす。
生気の無い眼が俺を捉える、唇が微かに戦慄いて、それでも何も発さない。
空いた腕の手首を眼の前で食い破ると、お前の白い喉が蠢いたのは俺の気のせいか?
シーツに数滴落ちた。コインランドリー、何処にあったっけな…
付着した血液はなかなか落ちない、自分の血で染めたシーツなんざゴメンだ。
「ほら、呑めヤシロ…」
溢れるその傷口を唇に持っていくが、やはり舐める事もない。
予測通りの動きをされ、別に傷付いたりなんかしない。
「とりあえず、動ける様になれ、そうしたら俺を殴ってもいい」
自ら啜る血は、美味しさを感じない。鉄っぽいだけの不味いトマトジュースみたいな。
そんなゲテモノを呑ますなんて、本来グルメなコイツには失礼な気がする。
口に含んだまま、顔を真正面に覗き込む。
すると、ヤシロが始めて身を捩った、拒絶か。
殺される事を拒絶するのは記憶に新しいが、生かされる事を拒絶されると…
昔のお前を思い出す。
「舌くらい動かせたろ…?強請る様なマネはしたくない?そりゃワガママってやつさ」
「…!」
軽めに唇を合わせて、舌で隙間を作り、注ぎ込む。
ほんの少量だったので、一瞬だ。
それでも小さく首をイヤイヤと振るヤシロに、どうして拒絶だけは示すんだ、と、噛み付きたくなる。
「っは……それっぽっちじゃ足りないだろ?俺をぶっ飛ばすパンチを繰り出すには、もっと欲しい筈だぜ」
今注ぎ込んだ分で、その頬が少しだけ紅潮してる。
恥が滲み出ているのも、コイツが潔癖なのも知っているクセに、俺は…
「そんなにイヤなら、雷の音でも聴いてな」
自分の血を口になみなみと含み、今度は深く喰らい付く。その小さい唇を、目一杯こじ開けてやる。
ついでの様に唾液も混じってしまうが、しかし毒に成るワケでもねえ、許せよ…?
「んっ、んん、ぅーーッ!」
頼むから、そんな声出さないでくれ。
だらりと垂れたヤシロの腕が、ビクビクと跳ね出す。
背中から遠雷の音。
腕の中からも、バチリと電撃の様な爆ぜる音。
浮かび上がった黒い模様がキマッてる、お前の肢体。眼に宿る金の色、ライトニングの様に発光した。
ああ、本当だ。バチバチ魔力が奔って、実ってやがる。
(トリッシュの薀蓄も、気を紛らわす程度には役立つ)
なんとも不実な手段で実らせている。PG-13以上は、理由があっても避けたいが。
なあヤシロ、そのたわわに震える腕で、スカッとするまで殴ったらいい。
このまま俺を嫌悪して
過ぎ去ってくれ、嵐みたいに
To be continued…
↓↓↓P.S.↓↓↓
四肢は繋がったが、まだぼんやりしている人修羅。
ダンテは甲斐甲斐しい割に、避けている。さっそくすれ違いの予感。嵐の前の静けさ。
PG-13というのは「“13歳未満の鑑賞には、保護者の強い同意が必要”を受けた映画の一覧。あくまで注意喚起であり、年齢制限ではないので、対象年齢以下の者への拘束力はない。(wikiより)」という、所謂レイティングです。
トリッシュは知的好奇心の旺盛な、素敵な悪魔のイメージ。
タイトル「Stormbringer」はDeep Purpleの曲。
邦題《嵐の使者》
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