帳
〜補足解説〜
(エピローグまで既読を推奨)
『社に夜』以降の流れ
【大正】
人修羅の胎を通して転生したライドウ、人修羅を連れヤタガラスの里を離れる。
転生によって具わった力を駆使し、各地を転々としつつ使役悪魔陣を強化していく。
格の高い悪魔との契約に無理をしても、その身体が綻べば人修羅を孕ませてそこに魂魄を窶す。
そうして短期間の間に日本各地の強豪を使役下に治める事に成功。
態勢も整った為、ルシファー側から逃げる事を止める。
ケテル城にて人修羅派の悪魔を引き入れ、それなりな規模の戦争勃発。
被害状況を見て双方一旦退き、冷戦状態。
崩された鉄壁にヤハウェ(おおいなる意思)が介入してくる事を危惧したルシファーが城と現実界とのリンクを遮断する(かなり一時的な物)
再び繋がった際には、城ごと雲隠れしていた。
こうしてライドウと人修羅はルシファーの傘下より、完全に脱したのである。
【昭和前期】
ルシファーにもヤハウェにも与しない悪魔を率いるライドウ。
ヤタガラスが崩壊する頃合を見計り、機関に姿を現す。
日本の悪魔の半数が十四代目ライドウの支配下にある今、ヤタガラスの保有する悪魔は少ない。
その為、機関として既に機能していなかった。
三本松を焼き払い、葛葉四天王の解散を言い渡す。
ライドウがヤタガラスを壊滅させたと云っても過言ではない。
超國家機関の崩壊を機に、野良サマナーが各地を彷徨うようになる。
ライドウは己に付き従う一部のサマナーを率いて隠れ里を設ける。
第二次世界大戦は歴史の流れそのままに発生。
ライドウの策謀にて、戦火の火の粉が里に降る事は無かった(かなり辺境の為、そのままでも影響は少ないと思われる)
【昭和後期】
野良サマナーから広がったと思われる悪魔使役の業。
一般人にも悪魔という存在が知れ渡り、屑悪魔を使役する者が増えていく。
日本の発展に伴い、悪魔召喚の際電気信号、パルスにて交渉使役が可能になる。その悪魔召喚プログラムとCOMPが蔓延するにつれ、治安悪化。しかしその頃には既に歯止めが効かず。
趣味に、学術的に、利権の為に使役・研究する者が増え、社会に溶け込んでいた。
異界の揺らぎ、ガイアとメシアの衝突が激しくなる。
デビルサマナー全体への影響を考慮し、ライドウ、里の一同も率いて暗躍す。
ガイア・メシアの両勢力に流れていた悪魔の脈を絶ち、蔓延る屑悪魔の掃討を進める。一般人に扱える悪魔を根絶やしにしていったのだ。
次第にデビルサマナーという存在は姿を消していく。
学部から悪魔学は数を減らし、利用者のいないCOMPは嗜好品となる。
【平成】
水面下で冷戦状態のルシファー・ヤハウェ・どちらにも属さぬライドウと人修羅。
ライドウ、以前より進めていた悪魔のスカウトを更に精力的に行う様に。
海外への調査をメインにする様になる。
それだけの力をつけておきながら、ルシファーに挑まないライドウ。
彼の真意を知るのは、傍にて佇む人修羅のみと云われている。しかし人修羅の存在は世間には希薄である。ライドウが隠蔽してきた事が大きい。
現代における十四代目葛葉ライドウ
『十四代目ライドウこと紺野夜。
ヤタガラスを壊滅させ、日本国の悪魔をほぼ掌握するデビルサマナー。
“悪魔より悪魔らしい”と悪魔達に云わしめるその人格。
伝えられる現代において、彼は悪魔学上の偉人である。
時代を跨いでの目撃情報も有るが、真相は分からず。
ミステリアスな出自と、残される写真に見られる美しさ、彼が綴ったとされる悪魔草子も手伝ってか、熱狂的な信者が未だ居る。
しかし、悪魔に魂を売ったともされる上、冷酷と称される性格もあってか、彼を嫌う者も居る。
悪魔と婚姻を契ったという滅茶苦茶な内容の噂は、嘘か誠かで信者を二分している。
(そんな噂があるのは、悪魔草紙が彼の自伝ではないかという説がある為)』
ライドウこと紺野夜
【身体能力】
上記の通りに伝えられているが、十四代目ライドウこと紺野夜は健在である。
既に数回生まれ直した身体は、悪魔のそれに近い。
暗闇に光る金色の眼が、彼が猛き悪魔の属という事を知らしめる。
しかし人間部分が生かされ、使役においてヒエラルキーの不都合が生じない。
転生のスパンは開いていく、理由としては無理をする必要がなくなってきた為。つまり、敵無しになってきた、という事である。
人修羅より戦い方が巧い為、発揮出来る力は上回っている。
【里】
上と下に分けられている。
上里は十四代目ライドウに頻繁に使役されていた面子の悪魔達で構成されている。
下里は十四代目ライドウに忠誠を誓ったサマナーの子孫達で構成されている。どちらも狐社を通して行き来が出来る。
上里は異界に在る訳では無い、その為下里を置きフェイクとしている。下里を疑似餌として置き、一般人が踏み入れても普通の山村集落にしか見えぬ様にしてある。
上里の悪魔達が人に擬態しているのは、下里の者が接し易い様に・来訪悪魔を油断させる為・里を離れ調査する際に擬態慣れが必要なので…等、色々な理由が挙げられているが、実のところ「人修羅の本来望む生活環境を虚像だとしても設けてやろうかな」というライドウの気紛れな思い遣りの為。
帰郷しては上里の庵で、人修羅が生む数日間をのんべんだらりと過ごす。
上里の景色が本来のヤタガラスの里に近いのは、ライドウが自ら滅ぼした故郷への郷愁を無意識に感じている為。
【立場】
下里の者には「十四代目」「紺野先生」等と呼ばれる。
平成において、初老の里人は紺野夜にサマナーとしての教育を施された者が多い。その為先生と呼び続ける者が多い。皆、十四代目ライドウに忠誠を誓っている。それは既に血がさせるものとなっている。
里を起こした際に、志の近しい者のみで結成された為。
外からの血を許さないので、血が濃い系譜となっている。
ただしライドウは、近親による婚姻は認めていない。欠損した子を生す可能性と、己の生まれを思ってか、それは禁じている。外と血を繋げる場合は離里する必要が在る(監視の下でなら偶の帰郷は許している)
里の者達は、変わらぬ十四代目の魔的な強さと美貌に、最早妄信に近い忠誠を抱いている(先代からの意識が助長させる、そういう流れを想定してライドウは系譜を崩させない構造を創った)
【転生】
ライドウは伴侶の人修羅と共に帰郷すると上里に人修羅を置き、出産までの数日間を共に過ごす。シトリを管では無く、上里の倉に封じている。その為、転生の為に里帰りするのである。
人修羅を孕ませ、そろそろかという頃合に里へ帰る。生まれた赤子の容れ物に魂魄を移し、転生とする(ネビロスにその術は任せている、勿論替えは居る)
移る魂魄の情報に合わせて肉体は急激に成長する。息子として生まれた肉に宿る為、馴染み易いのだと思われる。罪の意識を超越して、共存の為にライドウと人修羅はこの転生儀式を繰り返す。
転生が終われば、人修羅は少年の身体に戻り、次の受胎までをそれで過ごす。
【日常】
衛星回線で各地の同胞とやり取りしている為、出先にもノートPCは持っていく。しかし未だに封魔は管で行っている。アナログとデジタルを混在させた生き方をしている。
滞在期間中は下里にて子供を指導している。主にサマナーとしての指導だが、他の教科も一通り教える事は出来るらしい。子供達には「悪魔の紺野」と恐れられている。
理由は幾つか有り…
@授業中にDSで遊んでいた児童(あのCOMP推進派)からDSを取り上げた紺野先生。翌日児童に返されたそのデータは、これからラスダン突入だ!というクライマックスだったのにクリアされており、おまけにクリアデータはそのデータに上書きされていた。当然嫌がらせである。
A二体同時召喚の継承者をどうしても残したいらしく、そこの指導は妙に厳しい。
B下里の女性陣の初恋の相手は、十中八九紺野先生という恐ろしい伝説。
C里長は昔やんちゃ坊主だったが、授業中反抗した際に、紺野先生にマーラを召喚されたトラウマからか、絶対に逆らわなくなった。
Dあのモミアゲに刺されると悪魔化するという学校の怪談がある。
何はともあれ、ライドウの短い滞在の気分転換になっている様子である。本来の夢である教員の真似事が愉しいらしい。
夏でも黒尽くめなので、里に帰ると皆すぐに分かる。だが、基本的には秋に帰る事が多い(曼珠沙華で赤く染まる頃)外套を好き好んで着ている。帽子は適当に、黒でカッチリ系。
ヒールの高めな男性靴が世に増え、喜んでそれを履いている(その為人修羅との身長差が更に開き、人修羅はムカムカする一方だったりする)ライドウはヒールが有る方が落ち着くらしい(性癖か?)
海外旅行が大好き(真の目的は悪魔にあるのだが)武器をどの様にして持ち運ぶのかという疑問が残るが、事前に渡航先の同胞に連絡しておき用意させてある。都合がつかぬ場合は現地調達。管は荷に入れておけば問題無い(最近の身体なら、武器無しでもある程度戦えるらしいが)
古都や遺跡のある国、九龍城砦などの猥雑な処も大好きである(悪魔も多い)
人修羅という伴侶
孕む時には女体を強制される彼。
文句を垂らしつつも宿し、生むその姿は、孤独を紛らわせてくれるライドウをいつも見つめている。人間に戻るという名目でライドウの使役に下った彼は、それについて口を酸っぱくして述べているが、率先してルシファーに挑む事は無い。恐怖感と、それとはまた別の思いが二の足を踏ませているらしい。
ライドウを殺すと云いつつ、この半世紀近く生んでしかいない。
生んだ身体に犯されるという近親相姦の事実に葛藤しつつも、ライドウを失う怖さから止める事が出来ないでいる。
人修羅功刀矢代の精神状態は、既に諦めている節が有る。ずっとライドウの注いでくれる生温い水に浸かっていたいという弱さ。夜明けの眩しさに眼が眩む事を恐れて…
最終更新日2010/7/20
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