* あとがき*
2011年度賀正配布物でした、加筆修正は無し。
食後にエッチする話、身も蓋も無い。
【適当解説】
《馬込半白節成胡瓜》
きゅうり。大正9年頃『大農園』という採種組合が作り、品種の保存と均一化に努めた。
下半分が白い、皮は硬め。
《花街に京舞を守り事始め》
俳句データベース様より引用。
迎春の準備に入る節目の行事「事始め」と、云わずもがな「姫(秘め)始め」をかけました。
《沸の星》
「刃縁を離れて地中に施された玉状の焼刃が、玉あるいは日、月と呼ばれるのと同様に星と称されることがある。また、沸の粒子を夜空の星のきらめきと想定して表現することもある。」〜刀剣用語解説集より引用〜
抜き身の沸の星空に…という一文に、刃を見て星の無いボルテクスを想うライドウ…を書きたかった。
《常夜鍋》
豚肉、ホウレンソウ(または小松菜)を具の中心にした鍋料理。
毎晩食べても飽きない。ポン酢は柑橘類をブレンドすると深みがあって良いです。
鍋の出汁は生姜で、清酒をだばだば入れてどうぞ。
《八坂の神紋》
作中でライドウが云う通り、胡瓜の輪切りが神紋に見えるので…
紋の正式名称「五瓜に唐花」
《夜の食国》
月読命-ツクヨミ-が治めている国「ヨルノヲスクニ」
喰らうもののサイクル、それが流転する事象が政(まつりごと)では…
という解釈で、やたらと飲食めいた話に。
《滓漬け》
「粕漬け」が正しい表記。食材を酒粕またはみりん粕に漬ける手法。
ライドウの脳内変換では一瞬で“滓”にされた。白い残滓から連想。
《屠蘇散》
屠蘇(とそ)は、一年間の邪気を払い長寿祈願し正月に呑む薬酒。
数種の薬草を組み合わせた屠蘇散を日本酒に溶かして呑む。
《三角州》
河口付近で見られる地形の事ですが…此処ではライドウの股座。
其処に飲料(酒)を注ぎ呑む事を「わかめ酒」と云ふのであり…名前の由来は「陰毛がゆらゆら揺れてわかめのように見える」からだそうです、芸者の性戯のひとつ。
《花街みて夜の金雀枝の前にたつ》
俳句データベース様より引用。
金雀枝(エニシダ)は黄色い蝶の形の花弁。
軽く触れてやるだけで花弁が開き、雄しべが蜂に巻き付いて蜂を花粉まみれにする。
逃げるマリアがこの花の擦れる音で見つかりそうになった、らしい。