* あとがき*
徒花の雷堂END後…『初夢』の更に後です。いよいよ怪しまれている雷堂。互いに狂い始めている。
愛したい心と裏腹に“身体だけでも”と繋がるばかりの雷堂…
違和感が過去のライドウへと、人修羅を走らせる。狂おしく求めてくる贋物のライドウに人修羅は困惑す。己の良く知る夜の姿を捜し忘我のままに手淫した…己のマガツヒで咲かせた記憶のままの薔薇天井。
『初夏のRhodonite』と対照的に、後を引く暑さ、しのび寄る秋の冷たさ、退廃する庭園。薔薇園を燃す描写こそが対照的。
表題の秋は明と掛けてます。
《空蝉(うつせみ)》
⇒この世に生きる者、現人(うつつしおみ)が訛ったもの。
⇒蝉の抜け殻、夏の季語(そういえば薔薇も夏の季語です)
⇒源氏物語の第三帖に出てくる女性。
《円通三匝堂(えんつうさんそうどう)》
福島県会津若松市に在る仏堂。マッチ棒で作って特長的な形になる建造物を探していたところ、しっくりきました。内部の螺旋階段が芸術的との事。