* あとがき*
いよいよ人間の世界で暴れてしまいました。閣下が手を滑らせたのは勿論態とです。
久々に書いた所為か、いまいちな描写になってしまいました。本当はもっと血生臭い空気を醸し出したかった。
人修羅は云い訳に加担してくれる存在を無意識に求めている。同情すべき存在の彼ですが、逃げ道をひたすら探すその姿勢。そこに痛々しさと一種の共感性を抱いて頂けると、此処の作品が嚥下し易くなってくるのでは、と思います。
ライドウは人を救う事に一切の情を挟まないのか…それは追々の彼の行動で見定めて頂ければ、と。自分の為、という事には変わり無いですが。
さて、胸元に忍ばせておいたおまじないがシキガミだった訳ですが……雲行きが怪しいですね。
そういえば閣下、眼鏡パクるな。
《ニーズホッグ》
古代ノルド語で「嘲笑う打撃者」
真2だと硬そうで百足みたい。IMAGINEだと柔らかそうで芋虫みたい。どちら寄りにするか迷いましたが、混合させたイメージで結局書きました。フヴェルゲルミルという泉に住んでいる竜。ユグドラシルの根を齧っている。泉に流れ着いた死者の血肉を喰らう。
《フレスベルグ》
「死者を呑みこむ者」という意味の名。ユグドラシルの梢で世界を見下ろしている。ニーズホッグとは犬猿の仲。勿論ライドウは解っていて召喚した。本当に嫌味な奴である。
《死の舞踏》
表題ですが、作中で特に触れてません(舞台・演劇、等は幾つか連想させる為に云わせましたが)リストの曲の方では無く、14世紀頃西洋の様式美の方です。死は均しく訪れる、その死生観を表現した絵画や彫刻の事。これの流行る一世紀前、戦争やペストでぼろぼろ死んでいく最中の集団ヒステリー(半狂乱で踊り続けたり)を「死の舞踏」と称していたそうで…
講堂内の空気を一言で表すのはこの言葉かな、と思い。