蟲の知らせというやつか。教室の扉の前まで来た途端、胸の内が軋んだ。
中に巣食うマガタマが、俺に何かを感知させ足止めする。
「先生、もう大丈夫なの」
「いつまで居られるの、また入院とかしないよね、卒業までうちの担任でしょ?」
ああ……いよいよ戻ってきやがったか、あの女教師。
まじまじと面を拝むのは、どれくらいぶりだろう。
病院の屋上で見た時も、病室で見た時も、様子は変わらなかった。
無感情では無いが、しかし取り乱す事も無いその姿勢……穿って云えば、無神経。
ボルテクスで氷川に捨てられていた際も、正直ざまをみろと感じた。
独りで出来ると公言しながら、俺を頼って来た事を忘れてやるものか。
「……功刀?」
声に振り向くと、男子生徒が怪訝そうに見下ろしてきていた。
同じクラスの……苗字はなんだったか。
「立ちくらみ?」
「いや……」
「おう、だったらさっさと入れ」
室内履きの踵を爪先で軽く小突かれ、俺は仕方なく扉をスライドさせた。
「おはよう」
笑顔の高尾祐子が、真っ先に挨拶を仕掛けてくる。
無視しても面倒が発生すると思い、俺は一瞬目を合わせ「おはようございます」と返した。
俺の後に続けて入室した男子生徒は、おおっと歓声を上げて教師に歩み寄っていた。
「いつ退院した?」
「こないだよ」
「今日から来てんの? オレ昨日休んだから分からんくて」
「あら、風邪でもひいてたの? もう平気?」
「いや〜昨晩まで立ちくらみ酷くってさ」
他愛ない会話も、良い囮になってくれて助かる。
モラリストなあの教師は、生徒をないがしろになど出来ない筈だ。
着席し、俺は自然と新田の席を見た。
仁王立ちの橘に制され、椅子から尻を離せない様子の新田が垣間見える。
散々あの教師に付き纏った男子を、見かねたクラス委員が自重させた……そんな所か。
それでも橘の隙間から教卓を窺う新田。
一部始終を見た俺は最早、呆れた溜息しか出なかった。
エンノウ
「ねえ、真面目に選んでる?」
ずっと鉢植えを見ている俺に、ぴしゃりと冷たい声が刺さる。
視界の端に、橘の髪が揺れた。肌から眼から……色素が薄いのか、茶髪に見えるそれ。
当人の利発さが不良要素を排除するのだろう、校内で彼女が“染めている”と疑う人間は居なかった。
「しかも土有りのプランターって貴方……病室じゃないとはいえ、まだ根っこモノは避けるべきでしょ」
「……まだ安静にしてた方が良かったんじゃないのか」
「ふうん、そんな事云う訳? 新田君の盲目っぷりも失笑ものだけれど、貴方のその態度も褒められたものじゃない」
「じゃあどうして俺を同行者に選んだんだ」
逆に詰れば、むっと唇を引き結ぶ橘。
普段、打てば数倍の音響になって返る金属の様な彼女が、最近どこか大人しい。
密度の高い木材の様な、響けど鈍い反応だ。
「それは……貴方なら、連れ慣れてるからよ」
「真面目に贈り物選ぶなら、新田を選ぶべきだったと思うけど」
「……そうね。全く、祐子先生の事となると本当に冷たいんだから」
快気祝いとかなんとかで、唐突にクラスの連中から資金を巻き上げた挙句の生花店だ。
一人百円程度で済むので、全員あっさりと財布を開いていた。
預ける先が橘だから、という安心感も手伝っているのだろう。
そういった意味では、俺も信用はしている。
「ま、とりあえずさくっと選ばなきゃね。いくら近くとはいえ、昼休みの間に戻らなきゃならないし」
学校から徒歩十分の距離、逆算すればまだ余裕が有る。
出来れば、ぎりぎりまで吟味してくれ。
俺は少しでも、あの教師が居る空間から離れていたい。だからこのお使いにも乗ったんだ。
「祐子先生どんなのが好きかな」
「……好みが分かれそうなのは避けたら」
「例えば」
「えっ……香りが独特なものとか、色合いが派手だったり……」
「霞草オンリーにでもする?」
「そっちこそ、真面目に考えてるのか?」
「あら、貴方に合わせているだけだけど?」
やはりおかしい、先日ドミニオンを追い払ってからずっとだ。
「下らない」と一蹴するタイプだった筈なのに、どうして確認するかの様な態度ばかり取る?
俺に合わせるだなんて、気色の悪い……
「でも霞草ってのも、悪く無いわね。景気付けなのだし、個人的にはもっと華やかなタイプを贈りたいけれど」
「方針が決まったなら、店の外で待ってても良いか」
「アレンジメントを買うんだから一瞬よ」
「それなら尚更だ」
噎せ返る花の匂いから逃れる様に、重い扉を開けて外に出る。
少しだけ曇ったショウウインドウに、緑の呼吸を認識した。
透け見える店内、ぼんやりした彩の中……橘千晶のセーラーだけが重い色を落とす。
こういう絵を描く画家が居た気がする、名前なんか憶えていない。
「男の子は、買い物に付き合うのが一様にして苦手なのかしらね?」
鮮明に聴こえた声を振り向く、橘はまだ店から出てきていない。
視線の先にはあろうことか、俺が本日散々回避してきた教師が居る。
室内履きでもない、黒革のショートブーツで。腕組みしつつすらりと立つ姿こそ、久しかった。
「良いんですか、学校出てきて」
「橘さんが居るって聞いたから妙な不安は有りませんでしたけど、生徒のみで学校の敷地から出させるのは少し怖いわ」
「学年主任に一応許可貰ったそうですけど」
「そうね、主任から此処だと聞いたから……貴方達が誠実な生徒で良かった、こうしてちゃんと居た」
「他に何処へ行くって云うんです」
「男女でフけちゃう生徒も、偶に居るのよ? 制服を着ていれば、平日の街中でお察しだと思うけど」
「俺と橘さんはそういう関係じゃありませんし、こうして教師と立ち話するくらいなら一人で先に戻りたい」
棘を隠さずに物申せば……軽い静寂が訪れた。
硝子に近い薔薇達が、ひっそりと艶めいた様に見える。
あの花の構造を思えば、人を傷付けても許される錯覚を抱く。
「矢代君、メールは見てくれた?」
脳裏に文面が甦った瞬間、弾かれた様に俺は走り出した。
高尾の声と、微かに橘の声が背後から聴こえる……駄目だ、まだ離れなくては。
幾つかの脇道に逸れ、その道のまた脇へと入る。
知らない路地……大通りに出れば迷う事も無いだろうが、今はとにかく学校に戻りたくない。
「出先で具合が悪くなったので、そのまま帰路に就いた」と事後報告すれば良いだろうか。
いや、鞄も財布も眼鏡も学校に置いてある、辛うじて携帯電話を持ち出しただけの丸腰だった。
どうしても一度は戻る必要が有る、定期も鞄の中か。
(何なんだよ、救世主って)
あの教師が、本当に只の教師だったのなら、薄気味悪いの一言で済んだ。
カルト宗教に傾倒しているとしても、説明がつく。
彼女はどちらにも該当しない、後者は少し違うと思う。
憶えている限りでは、氷川と手を組んでいただけで……ガイア教徒という風では無かった。
創世の為に利用された、一時的な巫女に過ぎない。
(あの教師、俺に個人的な因果を感じているのか)
其処が恐ろしく、おぞましい。ボルテクスで彼女だけが孤立した事も、理解がいった。
他の連中は何かしら結託したり、所属したり。あるいは自ら打ち立て、同志を募っていた。
しかし高尾祐子は異質だった……なにより《人修羅》というフレーズを、殆ど発していない。
まだ普通の人間だった俺に、真っ先に干渉してきたのだから。
やはり、どう考えてもおかしい。
「はあっ……」
人目につかぬ細い路地だからと、端にへたり込んだ。
湿った臭い……緑の吐き出す空気とは違う、息苦しい都会の臭い。
他で暮らした事も無いのに、この東京を酷く煩雑に感じる。
以前も人混みは嫌いだったが、此処まで鋭敏では無かった。
(誰も居ない東京を、知ってしまったからだ――)
懐かしいだとか、思いたくも無い。
トウキョウと云う名の一括りでは有ったが、あの世界の大半は砂漠と化していた。
重ねてしまうな、これらは似て非なるモノ。受胎後の東京なんて、違う次元だ……
『アノ人間……』
『う、うめぇ!』
『マダ食ッテナイダロ』
『こいつぁとろけるMAGのニオイ!』
『オレ様達ヨリモ鼻ガ良イッテ、オマエナァ……』
どこか距離感の無い会話が耳に入り、察知されぬ様にそっと頸を上げた。
目の前の壁面に茂る苔、それを視線で這い上がる。
二階程の高さに有る、あれはベランダだろうか……フェンスにぶら下がる猿と、網越しに犬が視えた。
項をびりりと痺らせつつ、目を凝らせば連中の姿がくっきりと色付く。
違いない、どちらも悪魔。猿の方は……オベリスクに居た奴、桃色の体毛に金管がケバい。
犬の方は二匹居るのかと思ったが、首が二つ有るだけだった。
オルトロス……確か、火が効かない。
この世界の悪魔がボルテクスと同一の性質なら、間違いなく面倒な相手。
獣のくせに火が平気とか、理に反しているじゃないか。
俺は徐に立ち上がり、素知らぬ顔で路を抜けようとした。
『アッ、逃ゲルゾ』
『挟み打ちされるとも知らずに、キッキッキ』
『ソンナ作戦、聞イテナイッテ……』
ガシャンとフェンスの震える音がして、向こうに立ち塞がる猿の影が顕わになった。
背後からも着地の気配、犬の微かな唸りが大気を微振動させた。
この路地と合流する大通りは、営業回りかはたまた休憩中のサラリーマンが行き交っている。
そんな日常的なシーンが、悪魔の背景で流れている、まさに不協和音。
頭が痛い、酷く苛々した。
(他にもいっぱい居るじゃないかよ、人間なんて――)
ああ……違う……この脳の軋みは、光景の所為だけでは無い。
路地にはぐれていたからといって、俺だけが狙われる。その事実に納得出来なかった。
野良悪魔共に、嗾けてやりたい。
「今すぐ大通りに躍り出て、好きなだけMAGを喰らえば良いじゃないか」と。
そんな妄想を一瞬で想っていた……
無差別行為を許した自身に眩暈がし、この思考を誰にも知られたく無いと背筋が伸びる。
(相手してやるもんか)
確かに、現状では挟み打ちに遭っている。
しかし悪魔達から迫って来ないのは、多分俺を軽んじているからだ。
“MAGがそこそこ美味い只の人間”程度にしか思っていない、そうに決まっている。
軽く深呼吸し、壁を向いたまま左右を確認した。
この路地を覗きに立ち止まる者も居ないし、勝手口らしき扉も開く気配は無い。
俺は地を蹴り跳び上がると、窓のサッシへと靴先を引っ掻けた。
それを蹴り離す様にして反対へと跳び、同じく僅かな突起を踏む。
先刻まで悪魔達が屯していたベランダへと転がり込み、今度は連中を見下ろした。
ぽかんと此方を見上げてくる犬と猿に、俺は一瞥くれてから身を退く。
この建造物が何かは分からないが、とりあえず中に入れた方が助かる。
洒落たテラス、という風情は無い。コンテナが無造作に高々と積まれ、いかにも消防法違反といった風情なら有った。
灰色の扉に耳を近付け、神経を澄ませる……すぐ近くに気配は無い。
雨風に晒されて退色したドアノブを掴み、捻ったが空回りする。
ガチャガチャとノブを鳴らしている内に、フェンスのギシつく音が背後から迫る。
『おいっ、お前! 悪魔のクセに人間の振りしてんのかっ』
追いついてきたのはピンクの猿だ。片手の剣が邪魔をしているものの、よじ登る事は難でも無いらしい。
手足と指の本数が同じなだけはある、こういう時に人間の形の悪魔を恨みたくなる。
『おぉん? 無視するキかーっ!』
面と向かった俺に対し、突っ込んでくるかと思えば剣を投げつけてきた。
咄嗟に体軸を反らせば、スコンと小気味の良い音が響く。
背後を横目に見る、扉と壁の溝に丁度突き立った剣が微振動していた。
『避けやがってっ、ムキーッ!』
猿が威嚇の声を上げ、跳ねる様な足取りで接近してくる。
俺は刺さったままの剣を抜き取り、反射的に投げつけた。
金冠が割れ、額に銀色の剣を携えた猿がよろりと踊る。
弾ける血飛沫はコンクリ床を雨の様に濡らすだけで、大した赤味も無かった。
「はっ……はっ……」
投げつけた姿勢のまま硬直していた、己の荒い呼吸でようやく我に返る。
ふと手を見れば黒い斑紋が浮かんでおり、思わず息を呑んでうずくまる。
大丈夫だ……目の前の悪魔は戦闘不能に陥った……集中して擬態しろ……
先刻は高い位置から辿り着いていたのだろうか、オルトロスは下に留まるまま二重で吠えていた。
(他の足場から此処に来るとしても、まだかかる筈、焦るな)
こういう時に、あの呪いのピアスが有れば……等と考えてしまう。
頭から消しておきたい存在……“葛葉ライドウ”の与えてきた、あの装身具。
最早お守りの様な感覚だ、ミス出来ない時に有って欲しいと思う。
あんな物に頼らずとも、せめて姿は人間でありたいのに……
そうだ、まだルシファーから返して貰っていないじゃないか。
何と云えば此方に戻してくれるんだ? あんな呪いのアイテムの為に、頭を下げたくは無い。
「……あっ」
ひとまず黒が抜けた手でノブを掴めば、今度はあっさりと回った。
というよりも、引っ掛かりすら感じない。
そっと開けば、扉の側面がおかしい。どうやら先刻突き立った剣は、錠を分断していたらしい。
隙間から内部を覗く……薄暗い廊下に人影は無い。
いっそ何かの店舗なら、客を装い中を通過出来たというのに。都合の悪い事に、何かの事務所らしい。
己の肩越しに、ちらりと背後を見る。まだ微かに痙攣している猿が、血溜まりにそういうオブジェの様に在った。
意地を張って相手をしまいと逃げてきたが、結局一体潰してしまったのだ。
諦めて引き返し、オルトロスも始末してしまおうか?
ただし、路地で戦うのは危険だ……肉体的生死では無く、社会的な死活問題。
一般人にバレずしてやり合う為には、路地より更に人目につかない所が良い。
それこそ閉鎖空間、密室の様な所が――……
「いやぁっ! やめて!」
隙間風の様に、薄く開いた扉を揺らした。悪魔の声ではなく、人間女性の肉声だ。
俺は反射的に扉を閉め、身構えた。暫くしても廊下に人の気配は無かった為、再び開く。
通路に連なる部屋の何処かから、断続的に怒号が聴こえる。
(俺には関係無い……)
ゴキブリが出たって、お気に入りの食器が割れたって、悲鳴する人は居る。
一大事かどうかも判らない、しかも此処で俺が押し入れば不法侵入で更に悲鳴されるだろ。
完全な悪魔なら、人間から姿を隠せたのだろうか?
ふと脳裏を過ぎる……召喚が出来ないのなら、身近な悪魔が一匹居る。
俺は転がったままの猿に歩み寄り、軽く靴先で尻を蹴った。
反撃では無いものの眼をひん剥いたので、此方も即座に一歩後退する。
「まだ生きてます? お使いに行って欲しいんですけど」
『…………ゴポッ』
「動けるだけのマガツヒ……じゃないか、マグネタイトなら差し上げますから、お願い出来ますね」
内心「どうして喧嘩を売ってきた悪魔なんかに」と思いつつ、俺は猿の額に突き立ったままの剣に触れる。
柄を握り締め、気を集中させ力を流す。吸われる事なら多かったが、こうして自ら流す事は少ない。
何時の間に、意識せずとも出来る様になってしまったのか……
そんな複雑な気持ちが見え隠れする頃には、猿も血の気を取り戻していた。
しかし朦朧とするらしく、フラフラと危うい足取りだ。
俺は余計な事を考えない内に、鬣から突き出た尖り耳に命じる。
「人間にバレない様に、奥の部屋の様子を探ってきて下さい」
『様子……ヨウス……揚子江が見えるゥ……』
その視線が未だに彷徨っているので、突き立つ剣の柄頭をぐぐっと押してやる。
わっと眼を見開いた猿が、桃色の毛を逆立て悲鳴を上げた。
『ヒヒッ!』
「目、醒めましたか」
『何をシテこれば良いんだ』
「暴力沙汰が起こっていないか、確認だけしてきて下さい」
『たった今! ココで発生してるっしょ!』
「しっかり報告しに戻ってきてくれたら、以降俺から干渉はしません……寧ろ、さっさと消えて欲しいし」
俺が語気を強めれば、眉間に皺を作った猿。
これはばっくれそうだな、と感じたので、見送りつつ釘を刺す。
「其処の隙間から、一応見てますからね。他の階に逃げたら、後ろから撃ちます」
精度は悪いが、魔弾を撃てた筈……
滅多に使わないので確信は持てないが、この際ハッタリだ。
「やめてっ、まあ君が死んじゃうっ!」
金切声の煩い女を、組員が両脇から抑え込んだ。
当のまあ君は、僅かに呻いて蹲っている。
ちょっとばかし腹を小突かれただけだってのに、軟弱な野郎。
今のメンツでは一番口の回る組員が、まるで悪役の様な口調で二名を詰る。
「はは、大丈夫よネエちゃん。人間ってのぁ案外、ビシバシされた程度じゃ死なねえから」
まあ君一人なら、適当にボコして終わりだったろうに。
運悪く、デートしてる所を目撃されちまったから……お二人様で御案内ってワケ。
「オタクの彼氏はブツの売人をしてて、そのブツってのぁウチから買ってたの、分かる?」
「ブツ?」
「アレだよアレ、たかーい粉薬。何だ、キめてヤった事無いの? 注射器使わんだってゴムの先っちょに垂らしてアソコ突っこみゃ、まず女にゃバレないからねェ」
「し、知らないよそんなの! ねえもう帰りたい、どうしたらまあ君放してくれるの!?」
「こちとら金さえちゃあんと納めてくれりゃ文句無ぇんだ、何だったらまあ君からオタクが買い取ってくれても良いのよ?」
いかにも優男風なまあ君は、常連客が旨く掴めなかったんだろう。
一度目なら警告で済ませる延納も、二度目三度目となればドツキ回されて当然。
「分かったからっ、お金立て替えれば良いんでしょ!?」
「おっ、気前が良いねーネエちゃん。現金でいけるの? 結構あるよ? デート代の持ち合わせじゃ足りんで多分」
次のページ>>